December 02, 2004

東北で

志津川に行ってきたことは、3日前のブログにも書きましたが、思い出したことがありましたのでまた書きます。仙台から志津川へは電車で約2時間半。新幹線だと東京に帰ってこれちゃう乗車時間です。途中、東北本線の小牛田駅で乗り換え。乗り換え時間が40分あったので、コーヒーを飲もうと駅周辺を探索することに。同行してくれた丹治さんと一緒に、ぴゅーぴゅーからっ風が吹く中、喫茶店を求めて改札を出ました。旅先で偶然入った喫茶店との素晴らしい出会いってありますよね。自然と期待も膨らみます。しかし、歩けど歩けど喫茶店らしいものはありません。丹治さん曰く、東北のこのような町では駅周辺ではなく国道沿いにお店は集中しているんだとか。40分ではとても往復できそうもないのであきらめて駅に向かって歩いていた時、一軒の洋菓子屋さんが目に入ってきました。おぉ全国的にある○○堂ではありませんか。店内にはガラスのショーケースと、赤いテーブルクロスがかけられていた一組の、客席ともディスプレイともとれるテーブルとイスが置いてありました。看板には喫茶、軽食の文字もあったので、恐る恐る店内に入ってみると、奥からおばあさんがいかがわしいものを見るような視線のまま「いらっしゃいませ〜」と出てきました。唯一の席に座るように案内されたのですが、身の潔白を証明したくって「コーヒーはありますか?」と簡潔に注文。「はいはいコーヒーふたつねぇ。」首を傾けながら、のれんの奥へと消えて行ってから、20分近くは経ったでしょうか。無音の中(奥からも何も聞こえません)、おばあさんがコーヒーを持ってくるのを待っていました。乗り換え時間も迫ってきて、少し焦ってきたその時、おばあさんがコーヒーをふたつ運んできてくれたんです。「もしかしたらおばあさんが一生懸命ドリップしてくれたのかなぁ」そんな感謝の気持ちを抱きつつ、一口コーヒーを啜ってみると。出ましたぁ!。なんと!というかやっぱりというかインスタントコーヒーだったんです。お店で飲むインスタントは初めてだったので、軽いショックを受けていたぼくに、丹治さんは余裕の姿でコーヒーブレイクを楽しんでいるではありませんか。なんで?ぼくの問いに、「こういうのって初めてじゃないんですよね〜、前にも福島でありましたよ。」そうですか。確かマンハッタン・ラブストーリーにも、こんなシーンがありましたねぇ。お店で販売しているパウンドケーキの端っこの部分を「食べなさい」と言って出してくれたおばあさん。気がつくとすっかり、おばあさんのペースになっています。そうか、お店に来てるってことじゃなくて、おばあさんの家にお茶しに来てると思えば良いのかって、自分で自分を納得させることにしました。でも帰る時には「コーヒー一杯¥300ね」って言われて現実に戻ってしまいましたが…。駅に戻る途中、丹治さんとあの空白の20分は何だったんだろうね。という話になって、きっとお湯を沸かしていただけでは?という結論に達しました。いやぁ東北は奥が深いですね。みちのぉくですから…。(マスター)
画像は本文とは、まったく関係ありません。志津川駅で見つけたお土産。ネーミングからして買わずにはいられませんでした。


10:24:42 | cvdois | | TrackBacks